本日のお届きもの。

  • 「ウフ.」2007年1月号

 今月号の書評のコーナー“おもしろい本が読みたい”は、ポール・オースター『ティンブクトゥ』(江國翎子・評)と朝倉かすみ『ほかに誰がいる』(D[di:]・評)、井上一馬『二重誘拐』(大島一洋・評)の3冊。どれもみな、面白そう!チェックチェック!
 連載では相変わらず大島美幸「ブスの瞳が恋されて」が面白い。ぷぷぷ。髪にまつわる悲しい、けど笑える思い出&初恋の思い出を語ってます。早く“こんな私も恋をした”高校生編が読みたい!来月まで、待ちきれないよ!
 バックナンバーを引っ張り出してきて朝倉かすみ「タイム屋文庫」&吉田篤弘「小さな男*静かな声」を連載最初から読みたい〜!

本日の読書 道尾秀介『骸の爪』

骸の爪

骸の爪

 面白かった!仏像にまつわる超常現象をさりげなく解き明かしながら、殺人事件の謎までも見事に解き明かしてしまう。広げに広げた風呂敷を、パタパタと(夢のような些細なことまで!)見事に畳んでくれるさまは気分爽快!「面白かったー」と(いや、事件にまつわり人死にがたくさん出るので、この言葉は不適切かもしれないけど…)大満足して本を閉じられるのがいいですね。
 ただ、読んでいると、京極夏彦有栖川有栖横溝正史といった先行する作家の影を(あ、探偵役が陰のある美貌の青年だから、ちょい篠田真由美も入ってるか)、どうしても連想してしまうので、読者にそう思わせないようにするのが、今後の課題でしょうか。ややキャラが平板なので、個性を際立たせる必要性もあるかも。
 この道尾が「向日葵〜」や「シャドウ」の作者でもあったら、もっともっと面白いんだけどなー。ってことで、このホラー作家道尾&霊現象探求所の所長真備庄介シリーズの次回作に期待!