私から私へのプレゼント(はぁと)。

わたしを離さないで

わたしを離さないで

この庭に―黒いミンクの話

この庭に―黒いミンクの話

川端康成集 片腕―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

川端康成集 片腕―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

吉屋信子集 生霊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

吉屋信子集 生霊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

 年内にどれだけ読めるものか。『わたしを離さないで』だけは必ず読みたいけど。

本日の読書 北國浩二『夏の魔法』

夏の魔法 (ミステリ・フロンティア)

夏の魔法 (ミステリ・フロンティア)

 切なくて切なくて悲しくて、そしてちょっぴり残酷なお話。
 22歳なのに、老化が凄まじいスピードで進行する病気を発病してしまったせいで、外見は老婆。しかも末期がん。人生最後の夏を過ごすために、人生最良の夏を過ごした思い出の島を訪れると、そこには発病を契機に縁を切った初恋の男性がいた。そして彼の傍らには、もし自分が発病しなかったらこんな風だったかも…と思うような美貌の女性がいた、、、。
 最初は、「ハウルの動く城」のソフィーが主人公のモデルなのかなと思っていたんですが、まるで「人魚姫」なんですね。決して解けない魔法をかけられてしまったせいで、王子様に自分だと言い出せず、ただ王子様と王女様が結ばれるのを見ているしかない人魚姫は、どんな決断を下したのか!…というお話。切ないです。
 「ミステリ・フロンティア」の1冊なのになかなかミステリにならなくて(物語自体にものすごい吸引力があって面白いんですが)だんだん焦れてくると…わあああああ!そうだったんだあああ!とかる〜くショックを受けちゃいます。orz。[王子様の「不殺活人」の言葉と、作中でエピソードとして語られるイルカの贖罪の伝説が伏線となって、ラストにかかってきてものすご〜く印象的。引き戻されてしまった彼女のその後が、ものすご〜く気になる、、、、、、、。]
 ミステリとしてよりも、切なくて切ない恋物語として、いつまでも余韻が残るお話でした。私は大好きさ。
 この作品も読むわ!…来年に(汗)。
ルドルフ・カイヨワの憂鬱

ルドルフ・カイヨワの憂鬱