森奈津子『耽美なわしら』下巻 フィールドワイ ISBN:4901722247

　まず、あとがきから読む（笑）。面白い箇所があったので、思わずチェック！！

　また、私には、本シリーズによってゲイ・カルチャーの面白さを読む人に伝えたいという野望もありました。
実際、ゲイもレズビアンも性的指向が異性愛者とは異なっているがゆえに、セックス面ばかりがクローズアップされがちです。やおい小説やレズビアン・ポルノがそれですね。
　ただし、私はそのような状況を批判するつもりはありません。
「この作品は本当のゲイ（またはレズビアン）を描いてない」
だから、なんだというのでしょう？
やおいもレズビアン・ポルノも、ファンタジーです。ひとつのセックス・ファンタジーとして楽しめばよいのです（ただし、時折、官能作品のファンタジーを信じてしまう人がいるのは困ったものですが）。
そもそも、私自身の同性愛テーマの官能小説を何作も発表していますし。（p.262より）