大崎善生『パイロットフィッシュ』角川書店 ISBN:4048733281

 お風呂場読書用に読み始めた本を、結局、全部読んじゃった。もしかしてもしかしたら大崎善生のことが好きになれるかもしれない。淡い期待に胸ふくらませながら読む読む読む…p.128で、魂がどっかに吹っ飛んじゃった(汗)。い、伊都子って誰や(大汗)。きっちり張った伏線を活かしているところなんぞ、律儀としか言いようがないし、静謐な雰囲気作りも上手いし、小説の上手さは認めざるえない(この『パイロットフィッシュ』は吉川英治文学新人賞受賞作)。だけど。私は、この主人公の過剰な感傷の垂れ流しが読んでいてとても不快だったし、気に障るのだ。やっぱり相性の悪さを確認しただけの読書で終わってしまったかも(苦笑)。