毎日新聞4月22日10面“文化 批評と表現”に、文芸評論家川村湊氏による「開かれた在日性求めて  鷺沢萠さんを悼む」の文章が掲載されている。

 …どんな“生き難さ”を彼女が抱えていたのか、彼女の小説の一読者としても呆然と頭を抱えこまざるをえない思いなのだ。

 これは、訃報を知ったすべての人間に共通する感情なんじゃないだろうか。
 結びの一文の

 …やがて韓国の野山は真っ黄色のケナリ(レンギョウ)や、色鮮やかなチンダルレ(ツツジ)におおわれるだろう。ケナリを何度もナグネ(旅人)という言葉と間違ったという留学中の彼女。ケナリの時期を待たずして、ナグネとして旅立った彼女を、丁寧なサヨウナラ(アンニョンヒ カシプシオ)ではなく、友達同士のように「チャルカラ!」という言葉で送りたい。タシマンナルテカジ、チャルカラ(また会う時まで、バイバイ)!

 読んでいて、涙がこぼれそうになったよ。