桐野夏生『グロテスク」文藝春秋

 昨日から読み始めた『グロテスク』をようやく読み終わり。男社会(世間)では、頭の良さも努力さえも何の意味も持たない。今まで自分がしがみついてきた価値観を否定され、自己の存在意味すらも見失い、空っぽの自分に気づき、壊れていく和恵。「和恵の日記」が読んでいて一番痛々しくキツかった(←山岸凉子『天人唐草』を思い出した^^;)。だけどとっても面白くて、ぐいぐい惹き込まれるように読んじゃった。どこもかしこも「うんうん!分かる分かる!」共感のうずしお。暗黙の了解な事実を、作品という形でここまでリアルにあけすけに描いてしまうとは!!桐野さん、スゴイ!!ますます惚れてしまいそう(*^^*)。(な〜んかこれを読んだ後は、「マリみて」がいかにも砂糖菓子のような綺麗事のように思えてくる。このQ女子高内部のような階級闘争ってないのかしら?ま、「マリみて」で読みたいとも思わないけど(苦笑))