小林恭二『本朝聊斎志異』集英社 ISBN:4087746763

 日本のさまざまな時代を舞台に、人間が狐、狸、仙人、鬼(ゆうれい)といった“あやかし”らと交歓する姿を描いた、ちょっと不思議な物語を54話収録。人と狐が契る(異類婚姻)、艶っぽい話が多数収録されてるのが目を惹くかしらん。史実の裏話的「ぢつはね…」な物語も、面白かった。しっかし、どこまでが創作で、どこまでが本歌取りなのかが、ちょっと気になった(おそらく現代が舞台の第37話「喪服の女」。都市伝説というか、怪談ですなあ。怖ッ)。