今日の読み終わり。

幸福な食卓

幸福な食卓

 やっぱり瀬尾作品は、等身大の女性を描いた小説よりも『卵の緒』のような、家族小説のが断然いいなあ。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」。センセーショナルな出だしで始まるものの「父さんを辞めるって…辞めてないじゃん!」細かいトコに突っ込みながら、反感さえ抱きながら読んでたけれど、物語が進むにつれて、過去に色んな事があったゆえの今の平穏で穏やかな暮らし、それゆえに強い絆で結ばれてる家族の温かいようすがじんわりと効いてくる。衝撃的だった「プレゼントの効用」がなんていうかもう!!すっごく良かったのよ(涙)。脇役もみな魅力的だし、家族小説であると同時に青春小説で恋愛小説でもあるし、瀬尾作品の中で一番好きな作品になったかもしれない。