今日の読み終わり。

桃

 あとがきによると“『ツ、イ、ラ、ク』と対になる作品”で、“長編(『ツ、イ、ラ、ク』)未読の人を読者と想定して書いた”そうだけど、やっぱり『ツ、イ、ラ、ク』既読の方が、もやもやしないで済むでしょう。サイドストーリ集、かな。『ツ、イ、ラ、ク』という小説は、濃厚な恋愛小説としてだけじゃなく、あの時期・あの時代の空気までも巧みに描ききった青春群像小説でもあったのだなあを、しみじみと実感。あの事件に少なからず関わった人達にも等しく時間が流れ、その間、それぞれに人生があり、ドラマがあったのね、、、当たり前なんだけど。収録された6編では、「高瀬舟、それから」と「桃」、それに「卒業写真」が好み。生徒と先生から女と男にスイッチが入れ替わる瞬間に、思わずゾクゾク!