MSN 芥川賞・直木賞:選考過程を振り返る 愚直に生の意味を問う/作品の実と作家の堅実さ

 今朝の新聞で読んだんだけど。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050719dde014040032000c.html

 直木賞の選評で、

直木賞は、候補の7作中6作が初めてノミネートされた作者の作品だったが、受賞に至ったのは候補2回目となる朱川さんだった。選考委員の北方謙三さんは朱川さんの「安定した力量」を評価。一方で選に漏れた候補者を「もう一歩二歩伸びる人たち。伸びたところで候補になるのを待ちたい」とし、候補を選ぶ過程で「青田買いしすぎた感もある」と指摘した。

 「自分たちで候補作に選んでおきながら、なんてコメントを…」と思ったのは、きっと私だけじゃないはず。

 他の候補作は殺人事件や戦争といったテーマをかなり技巧的なアイデアと手法で表現した意欲作、異色作が目立った。その中で朱川作品は仕掛けこそホラーを使うものの、一番率直に、踏み込んで人間を描いた。

 もしかして…“殺人事件”が恩田さんの『ユージニア』で、“戦争”が古川さんの『ベルカ、吠えないのか?”かしらん?

 選考では最後に朱川さんのほか、絲山(いとやま)秋子さんの『逃亡くそたわけ』、三崎亜記さんの『となり町戦争』が残った。絲山作品は「端正な小説だが、エンターテインメント性が足りない」(北方さん)、三崎作品はデビュー作である点について「よく書けているが、デビュー作で受賞という重圧を避けるためにももう一作待つべきだ」(同)という意見が出た。結局、作品の実と作家としての堅実さという直木賞の原点を改めて示した結果といえるのではないだろうか。

 最終選考に絲山秋子さんの『逃亡くそたわけ』、三崎亜記さんの『となり町戦争』が残ったというのが納得できるかのようで、ちょい意外。三崎亜記さんの『となり町戦争』、どちらかというと芥川賞だと思うんですけどね…。しかも「デヴュー作が直木賞」受賞した作家さん、過去にもいると思うんですけどね。…。次回第134回芥川賞直木賞の発表が楽しみ楽しみ♪