今日の読み終わり

檸檬のころ

檸檬のころ

 田舎の進学高校を舞台とした連作短編集。登場する人物同士が微妙にリンクし重なり合っているところ、語り手によって作品の空気が変わるところがいい。「地味な人なりの青春」がテーマなのだとか。まだまだ青くて頑なだった思春期の頃を思い出して、切なさで胸をきゅんきゅんさせながら読んでました。かな〜り好き(*^^*)。語り手はさまざまな人物が務めていて、中にはちょっと面白い角度から見た作品もあって、なかなか良かったんだけど、時間軸が新学期から卒業までの一年間と限定されているのが、ちょっと残念。意外なところで意外な人物がリンクする楽しみまで味わえたら、もっともっと好きになってたかも。「ルパンとレモン」「ジュリエット・スター」「ラブソング」「雪の降る町、春に散る花」が好き。「担任稼業」の食べ物で志望大学を決める箇所で大笑いしました(笑)。