今日の読み終わり。
- 作者: 生田紗代
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: 単行本
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でも表題作「まぼろし」のが良かった。デヴュー作「オアシス」を深化させたような作品。自分を鬱憤はらしのゴミ箱にした挙句、離婚して家を出ていった母親が父親と8年ぶりに復縁しようとしている。その知らせに激しく動揺する娘の内面を、痛いほど繊細に描き出している。“母親と娘”が、この人が描きたいテーマなのかな。ものすごく筆が冴えていて、とてもいいんですが。母親との関係に鬱屈したものを抱える、あるいは抱えていた女性が読んだら、痛いほど共感できるし、また救われる物語だと思う。今後も生田紗代は要チェックですな。豊島ミホもそうだけど、まだまだ化けそうだ。