MSN 倉橋由美子さんを偲ぶ会:80人が出席、知性と諧謔の作家を悼む

 http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/news/20051018dde014040018000c.html

 「倉橋由美子さんを偲(しの)ぶ会」が12日、東京・元赤坂の明治記念会館で開かれ、作家や編集者ら約80人が、知性と諧謔(かいぎゃく)によって日本の湿った文学風土に挑戦し続けた女性作家の思い出を語り合った。
 参加者全員が献花した後、発起人の翻訳家、古屋美登里さんが「時代を先取りした『夢の浮橋』『城の中の城』などの4部作がまとめて読めるようになればいい。どこかの版元で考えていただけないか」とあいさつ。作家、黒井千次さんの発声で献杯した。
 関川夏央さんが「45年間の執筆を支えたのは、おしゃべりと社会への明るい呪詛(じゅそ)だったのだと思う。そして、いつも、オホホホホと笑っておられた」、加賀乙彦さんは「鬼面人を驚かす作品とは違って、素顔の倉橋さんは世間話が好きで穏やかで、不思議な方でした」と振り返った。
 最後に二女の熊谷さやかさんが「母は仕事中にいつも、あっちの世界とこっちの世界を行ったり来たりしていました。今日はこっちに来ていたのでしょう」と感謝の言葉を述べた。倉橋さんを偲ぶ会らしく、ユーモアと解放感あふれる一夜だった。【重里徹也】

毎日新聞 2005年10月18日 東京夕刊

 本当にお亡くなりになってしまわれたんですねえ。倉橋由美子訳の『星の王子さま』、ぜひ読んでみたいです。