昨日の読み終わり

愚行録

愚行録

 ううう。『ユージニア』+『グロテスク』みたいだ〜(汗)。しかも殺害された田向夫妻についての思い出を語る人々&赤裸々に浮き彫りになってくる田向夫妻の人となりに、読んでるうちにうんざりしてくる。悪意とか嫉妬とかどろどろした、あまり心地良くない感情ばかりがさりげなく垂れ流されているので。まったく関心が持てなかったので、読んでてまったく楽しくなかった(←でも、結局、それを狙ってたってことでしょ!巧いよ巧い!)。ただ、冒頭の記事とインタヴューの内容と、時折挿入される虐待される兄妹の妹によるモノローグがどうなって結びついてくるのか、その興味だけで読んでいたんですが、注意深く読んでさえいれば、途中で真相の1/3は気づけたのね!最後の最後まで気がつかなかったのが悔しい。
 登場人物みんながみんな、そしてこの作品を読む人間すら「愚行」なんじゃないかと、思えてくる。しっかし内容はともかく、ミステリとしては面白いですね。恩田陸『Q&A』『ユージニア』と来て、こういうのもありなのか!と思いました。手法は一緒だけど、目指すところが違う。
 一番笑ったのは貫井さんが早稲田のご出身だということ(笑)。すごくよく実感がこもってます(笑)。