本日の読み終わり ダレン・シャン『デモナータ3幕 スローター』

デモナータ 3幕 スローター

デモナータ 3幕 スローター

 3幕の主人公は、1巻目の主人公グラブス。1巻目が終了してから4ヵ月後が、物語の舞台です。有名な映画監督からホラー映画撮影の手助けを依頼されたダービッシュおじさんと一緒にグラブスとビルEも、映画撮影用に用意された町へと赴くことになるのですが…。ゾンビ状態から脱したものの、本調子から程遠く、悪夢にうなされ続けるダービッシュおじさんを懸命に助けるグラブスが、とてもけなげ。そして幾多の危機や困難を機転と勇気とで切り抜けながら、少しづつ成長していきます。ただ…成長するためには、ここまでの痛みを伴わなくてはいけないのかと、読んでいるこちらの胸まで痛みでズキズキしてくるのですが。今までだって残酷なシーンはいくらでもあったけど、この3幕ほど残酷さを痛感した巻はなかったです[悪魔って、突如として人間に降りかかってくる理不尽で残酷な運命の象徴なのかも。明日の命さえ…確かなものなんて、何一つないのよね。なんて虚無的!]。
 1巻で登場した「小羊」、2巻で登場した魔術同盟のシャークとシャーミラ・ムーカジ、そして魔将ロード・ロスが再登場する楽しみもあるし、読者の予想を裏切り続けるスピーディーな展開が最後まで飽きさせずに読ませます。ま、スローターとなった動機が、あまりにもお粗末で、説得力がまるでないんですけどね(苦笑)。
 3幕は、次巻以降への橋渡し的役割の巻だったと思う。3幕で姿を消した人物と今後、再会できるのでしょうか。楽しみ楽しみ。
 4幕は、最後3人目となる主人公が登場するとのこと。どんな繋がりの人物が主人公となるのか、どう物語は脹らんでいくのか、楽しみに待ちたいと思います。