本日の読み終わり 本谷有希子『生きてるだけで、愛。』

生きてるだけで、愛

生きてるだけで、愛

 第135回芥川賞ノミネート作品。躁鬱で過眠症の寧子と無口で無主張な津奈木との一筋縄じゃいかない恋愛模様を、笑い転げつつもちょっぴり胸キュンしながら楽しく読みました。やってることも云ってることも滅茶苦茶で、側に居たら迷惑するだけなんだろうけど、なぜか寧子という人物が憎めなくて惹かれてしまう。惹きつけられちゃう。針振りきれたような怒涛のクライマックスシーン、寧子の心からの叫びにじーん。胸が熱くなってしまった私です。それにしても、この装幀にちゃんと意味があったなんて!すげーです、まったく!
 本谷さんの文章のセンスが好き好き好き。百聞は一見にしかず。ぜひご一読を。今までなんで読まなかったんだろうと、すっかり本谷さんのファンになって、追っかけて著作を読むことを決意しした私です。