本日の読書 太田忠司『甘栗と金貨とエルム』
- 作者: 太田忠司,ミギー
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/09/26
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
退学するかどうかなど、自分のこれからを悩む高校生が主人公。人探しする探偵パートがメインのため、ちらりとしか触れられなかった青春小説パートの存在が、私には新鮮でした。依頼人が小学生、探偵も高校生で、未成年者からの視線で大人の事情を批判的に見るというのが、面白いですね(依頼調査を進めることが、父親の過去を知ることにも繋がるところも。父親に父親以外の顔があるなんて、子供は思ってもみないだろうから)。
ミステリとしては。現実の探偵社に持ち込まれる依頼ってこんな感じなのかな、さほど難度が高くないよねと油断していたら…最後のひねりが効いてますね、やられましたとも(藪を突いたら、とんでもないものが出てきちゃったこの一家のその後が気になるー!いくらそう約束したからって、政治家が親なんだから、普通は結婚する際に猛反対すると思う!)。
奇異に感じられたタイトルも、読み終えて見ればすかっと爽やか。たぶんシリーズ化されると思いますが、次巻以降も、こんな風に題名をつけるのかしら?
主人公が名古屋在住なのよね。それを見て「太田さんてばそういえば名古屋の人だったんだあ!」と思い出しました。名古屋在住の人は、もしかしたら作中に、知ってるお店がバンバン出てくるかも!
そうそう、作中登場する涼子さんて、既刊本があるシリーズキャラクタだったんですね!知らなんだ!これは必ず読まなくちゃ!!!