本日の読書 羽田圭介『不思議の国のペニス』

不思議の国のペニス

不思議の国のペニス

 青春小説を読んでいて「男子高校生の性についてまったく書かれてないじゃないか!綺麗ごとばっかり書いてるんじゃない!」つい怒ってしまう人に、ぜひオススメしたい(笑)。下半身事情についてしか、書かれてませんから!(爆)とはいうものの、主人公はエロセレブを自称するには頭でっかちなお子ちゃまだし、さほど切羽詰った感じもなく、どこかのんびりおっとりのどかな風情。これも「男子高校生は下半身にしか興味関心がないと思ってるでしょ?」という幻想によって描かれたファンタジーなのかもしれませぬ。
 幼馴染でロリの南が、もちっと主人公遠藤に絡んでくるのかと期待していたんですけどね。どんな物語になるのか、全体像が見えてきたのが全体の四分の三を過ぎた頃なのが哀しい。男の子側から見た恋愛青春小説だったのね(汗)。金城一紀ゾンビーズぐらいにまで、突き抜けてしまえば面白かったのに、どっちつかずで中途半端な感じがする。だけど、友人達に送り出されたホテルでの不器用な2人のエピソードが、とっても良かった。次回作に期待かな。