短編集。今まで読んだ星野作品の中で、一番読みやすかったー。それぞれから「
星野智幸」という作家のエッセンスを感じる。個人的には小説家星野さんシリーズと呼びたくなるような幻想譚「紙女」「砂の老人」(←
ボルヘス譚)、それに「ててなし子クラブ」「エア」、それに「われら猫の子」が好き。一見すると意味なく収録されているようだけど、「ててなし子クラブ」の性的な進化形が「エア」。そしてマイノリティをキーワードにして「エア」と「われら猫の子」「トレド教団」が繋がってくる。場合によっては「チノ」も。こんな風に作品同士を関連づけて読むのも楽しい。
敷居が高いものを感じて遠巻きにしていたけど、
星野智幸という作家作品に俄然興味が湧いてきた。もちっと積極的に作品を読むぞー!