本日の読書 梨木香歩『この庭に』

この庭に―黒いミンクの話

この庭に―黒いミンクの話

 『りかさん』『からくりからくさ』と続く物語の1番新しいお話が読めました。嬉しい。
 北の地、雪に閉じ込められた家の中で、自堕落な日々を送るミケルと迷い込んだ黒いミンクとの不可思議で幻想的なお話。雪の白さとミンクの黒、そして血の赤という色彩の対比が、とても印象的なお話でした。 
 最初は、あの小さかったミケルがすいぶんと大きくなったものだと、感慨深かったんですが、よくよく冷静になって考えてみると、とてつもなくヘンな話なのです。黒いミンクは、小さな女の子のえりまきが逃げ出したものだし、食べられちゃったはずのオイルサーディンが乱舞するし。最後の最後に種明かしされて、腑に落ちるのですが、、、。
 読み終えて『からくりからくさ』が読み返したくなること、必至!それにしても[ミケルって女の子だったのかあ!てっきり男の子だとばかり思い込んでたわ!]
 読み終えたら、カバーを引っぺがしてみましょう。雪景色の庭が一変します。綺麗(*^^*)。黒いミンクが庭のどこかに隠れてるんですよ。判るかしら?