本日の読書 アイリーン・ガン『遺す言葉、その他の短篇』
- 作者: アイリーンガン,Eileen Gunn,幹遙子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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超寡作作家の短篇集。合作も含めて、12編収録。ものすご〜〜く良かった!と手放しで絶賛は出来ないものの(作品の傾向がバラバラすぎ/汗)、くすくす笑える作品から胸に静かな感動が広がる作品までと印象的な作品が多々あって、なかなかに素敵な作品集でした。収録された12編中、良かった作品が7編あったので、もし待ってても文庫にならないのだとしたら、買っちゃっても良かったかも。
父が残した本の余白に書き込まれた言葉を、遺品整理にきて見つけた娘が読み進めるうちに…。じんわり胸が熱くなる感動の表題作*1に、タイトルがものすご〜く効いていて、くすくす笑いながら読んだ「中間管理職への出世戦略」、サイバーパンクSFながら、竹宮恵子や萩尾望都の70年代のSF漫画を懐かしく思い出した「コンピュータ・フレンドリー」、異星人とのファーストコンタクトを静謐に描いた「コンタクト」、あのアシモフとハインラインがパルプマガジン風のシチュエーションに翻弄されちゃうのが笑える「緑の炎」が、特に印象深かったです。
*1:アヴラム・デイヴィッドスンがモデル。デイヴィッドスンって殊能将之さんのあの『どんがらどん』の作者だったのかあ!気づかなかった!読まねば読まねば!(滝汗)