本日の読書 川端裕人『星と半月の海』
- 作者: 川端裕人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本
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主人公らの動物へ向ける真摯な思い、注がれる深い愛情が、どの作品でも強く胸に残る。「生命」について心の奥底に静かに訴えかけてくる。感動のあまり、物語として面白くしなくてもいいのにーとさえ感じてしまうほど。
「みっともないけど本物のペンギン」
なぜ北極にはペンギンがいないのか不思議に思った&北極に住むペンギンが登場する絵本を読んだ事があったので*1、とても感慨深かった。全部が全部フィクションなのかしら。ぐすん。滅びてしまった命を思うと、強く哀切を誘われる話(あ、剥製の写真、見っけ!*2)
「星と半月の海」
動物と心を通わせることができるのだろうかとふと思った。親として、いろいろ考えさせられますね…。
「ティラノサウルスの名前」
うわっ!父と息子の断絶の話?そうだったらヤだなと思ったら…息子は父親の背中を見て育つのか。こんな親子関係っていいな、羨ましいな。で結局、ティラノサウルスの名前って変更させられるの?
「世界樹の上から」
語り手が代わって、既出の話のその後が描かれる。厳粛な気持ちになる。人も海に抱かれ、そして抱くんですね。
「パンダが街にやってくる」
この話は…ぎょっとした。インパクト強烈。動物園にいる野生状態ではない、飼育により飼いならされている動物たち。彼らに本来の野生を取り戻させるべきなのか否かの問題を突きつけてくる。パンダって…本当にこんなものまで食べるの?どきどき。
「墓の中に生きている」
面々と続いてきて、恐らくこれからも続いていくであろう生命の連鎖が壮観。強く意識させられる。こんな不思議体験が起っても、決して不思議じゃない近いところなんでしょうね>M島。いつか行ってみたいー。
*1:『ペンギンほっきょくへゆく』。南極のペンギンが北極のペンギンに会いに行く話だった。なぜか長男が、このシリーズが好きだったのだ
*2: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9