本日の読書 ジョゼフ・ディレイニー『魔使いの弟子』

魔使いの弟子 (sogen bookland)

魔使いの弟子 (sogen bookland)

 トムは、七番目の息子である父さんの七7番目の息子。手に職をつけて家から独立するために弟子入りしたのは、魔使いだった。魔使いは恐ろしいボガードや魔女から人々を守る仕事だが、人々から恐れられる危険で孤独な仕事。特別な能力があるのだから…と大好きな母さんは云うけれど、トムはイマイチ乗り気ではなくって、、、、、、。
 人より勘が鋭いけど、怖がりだし、どこにでもいそうなごく普通の少年トムが、魔使いに弟子入りして遭遇する恐ろしくてほろ苦い冒険の数々。魔女マザー・マルキンとの対決が1巻のクライマックスなんですが、恐怖に負けてしまいそうにもなるけど、決して逃げ出さず、父さんの言葉と勇気で対決するところがいいですね。ぐっときます。魔使いになることと引き換えに、失うものがあるところが切ないのですが。
 トムが大好きな母さん(生魔女?)、トムの師匠グレゴリーに、魔女の血筋の娘アリスなど、トムを取り巻く人々も大変に個性的。グレゴリーの過去にはなにやらいわくがありそうで、シリーズが進むうちに明らかにされるのかなと、ちょいと期待。孤独な魔使いにあって、トムにとっての唯一の友人になりそうなアリスの存在も、気になります。
 ひよっこ魔使いが一人前の魔使いになるまで、まだまだたっぷり時間がかかりそう。トムの成長っぷりを温かく見守っていきたい。