本日の読書 池上永一『やどかりとペットボトル』

やどかりとペットボトル (角川文庫)

やどかりとペットボトル (角川文庫)

 昨年河出書房新社から発売されて、まだ一年も経ってないのに、もう文庫落ちしちゃったよ!の文庫版『やどかりとペットボトル』を、さっそく読書。私の記憶が確かならば、表紙のイラストが変わっただけで、中身は単行本版と一緒。おまけの書き下ろしエッセイも、あとがきもなし。ちぇ。ツマンナイ。単行本版買われた方、お気の毒さまでした。
 どこまでが本当でどこまでが嘘なのかよく分かんないけど、「よくまあ、こんな腕白という言葉からはみ出しそうなぐらい破天荒でめちゃくちゃな幼少時代を送ってきたわねえ、作風にばっちり反映されてるけど(笑)。それにしてもお母さん、強烈すぎっ!/滝汗」なエッセイでした、相変わらず(笑)。あー面白い。「電話」の話とか、島に泳いで渡る話なんて、何度読んでも笑えるし。
 「日本人ではなく琉球人だ」という矜持が、とても強烈だった。沖縄のこと、祖母のこと、曾祖母のこと、そして母のこと、外の視線で見る日本のこと。小説家として、ネタに困んないんじゃないかと思うね。池上永一の今後から、目が離せない!