坂木司『ホテルジューシー』
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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貧乏症で面倒見のいい長女気質、だけど自分で自分をがんじがらめにしていたヒロが、バイト先のホテルジューシーで泊り客絡みのアクシデントに遭遇したり、オーナー代理やクメばあ&センばあなど沖縄の住人のおおらかな気質に触れることによって、少しづつ変わっていく。
最初は、ヒロの、若さゆえにヘンな正義感振りかざして、客のプライベートにずけずけ踏み込んでいく姿がすごく不快だったけど、考えたらまだまだ若造の20歳だもんね。私が感じた不快感はたぶん、今となっては恥ずかしくてたまらない私自身の20歳頃のとんがってた時分を思い出させるからなのかも。要領良くできなくて不器用、だけどまっすぐなヒロがそれゆえにかけがえのないものを手に入れる姿には、胸が熱くなった。
ヒロに対して、これからの人生に幸多かれ!とエールを送りたくなる。いろいろ人生経験を積んで、片目をつぶることを覚えて頑張れー!しっかし、男前というよりもこれじゃ、まるっきりお母さんだと思うんですが(汗)。
クメばあ&センばあの息が合ったコンビに、比嘉さんが作る沖縄家庭料理が美味しそうで、アットホームなホテルジューシーの雰囲気がすごく良かった!沖縄に行ったらぜひ泊まりたくなったけど、、、実在しなくて残念。そういえばサキちゃんに対してヒロには恋愛話が、、、むふ。このヘン、も少し突っ込んで書いていただきたかったな。残念。