有川浩『別冊図書館戦争』1

別冊 図書館戦争〈1〉

別冊 図書館戦争〈1〉

 作者自らが公言しているようにベタ甘だった。思わず突っ伏してゲラゲラ笑い、時にはしんみりしながら最後まで読了した。砂糖を煮詰めたよりも甘くて甘くて…私まで「強いお酒をちょうだい!」叫びたくなるほど(笑)。でも、決して嫌いじゃない。さほど仕事が絡まず恋愛メインな分だけ、物語としては読みやすくもあったかも。結構好き。
 「図書館戦争」シリーズのスピンオフ企画第一弾。当然のようにメインで描かれるのは郁と堂上だ。『図書館革命』エピローグの隙間のお話というか、カップル誕生からそこに至るまでの波風をあれこれ描いてくれて、読者の好奇心を満たしてくれる(笑)。
 恋人同士の階段を、時にすれ違い時には喧嘩しながら、でも手を繋いで一歩一歩登っていく二人が、初々しくも微笑ましかった。やっぱスポーツブラはダメだろう(爆)。それにしても堂上教官はいい男だね。未婚の男性は、ぜひとも見習うべきだと思うな(恋愛メインな分、図書館隊の仕事というか起る事件が、わざわざ図書館隊が出向くまでもないしょぼさだったのがなんとも。「飲酒者入館禁止」はデフォだと思ってたんだけど。4話目、いきなりの話の飛躍に驚き、安易な決着もどうかと思ってしまったが、同じぐらいの男の子がいるので、つい共感して貰い泣きしてしまった)。
 柴崎と手塚のカップル&玄田と折口のカップルがめっちゃ気になる!ので、スピンオフ企画第二弾では、ぜひともこの2カップルのベタ甘ストーリを読ませていただきたい〜♪