越谷オサム『陽だまりの彼女』

陽だまりの彼女

陽だまりの彼女

 越谷作品はデヴュー作からし積読中で(汗)、著作三作目にしてようやく読むことができた。
 10年ぶりに中学時代の思い出の彼女と再会した主人公。10年ぶりに逢った彼女は見違えるほど美しくなっていて、彼女の方も主人公のことが忘れられなかったらしい。再会をきっかけにして急激に惹かれ合っていく2人。駆け落ちまでして結婚するものの、奥さまには誰にもいえない秘密があったのです、、、。
 有川作品以上のベタ甘ぶりに、読んでてもうどうしようかと思ったけど(笑)、こんな企みがあったとは!なるほどね。そうと気づいた目で、また最初から読み直してみたくなる。あれもこれも伏線だったのかと、違和感ないよう貼られた伏線の存在には舌を巻く。(「竹取物語」かと思ったけど「人魚姫」&「つるの恩返し」だったのか!
 とりあえず主人公より先に分ったぞ、と(笑)。ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」が聴きたくなるチャーミングでキュートな恋愛小説。このラストは、、、本人さえよければ、それでいいんじゃないですかね?私もありだと思う(客観的にみるとホラーだけど/汗)。