先週読んだ本

2008年11月24日 - 2008年11月30日の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1973ページ

グラウンド・ゼログラウンド・ゼロ
最後まで読んで初めてタイトルの意味に気づく。主人公ともども訳分からない不条理な状況に最後の最後まで振り回されてクタクタに。で、結局?もうちょっと先が知りたかったな。
読了日:11月24日 著者:保科 昌彦

超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス
こういう作品も書けるんじゃーんと作者を見直した(笑)。夫婦だからこその機微、感情の襞をさりげなくでも巧みに描き出していて唸らされる。「風邪」「夜のドライブ」「たんぽぽ産科婦人科クリニック」「プールサイド小景(仮)」「甘えび」「どじょう」が印象的。
読了日:11月25日 著者:椰月 美智子

超短編を含む短編集 みきわめ検定超短編を含む短編集 みきわめ検定
作者いわく「やっちまった感」溢れる短編集。恋する気持ちがすっと切り替わる瞬間がとてもリアルだ。「みきわめ検定」「死」「沢渡のお兄さん」「六番ホーム」「と、言った。」「彼女をとりまく風景」「きのこ」が印象的。『枝付き干し葡萄とワイングラス』と合わせてぜひ。
読了日:11月25日 著者:椰月 美智子

宿屋めぐり宿屋めぐり
私にとって初町田康体験。かなり無謀?(汗)でも予想不可能な破天荒かつ、うねるような強烈な物語性に翻弄されるのは快感で、クセになりそう(笑)。とことんヘタレな主人公の「宿屋めぐり」という双六はいつ上がりがくるのか。それまでの物語がラスト10ページで収斂する、そのさまに震撼した。
読了日:11月27日 著者:町田 康

地獄番 鬼蜘蛛日誌地獄番 鬼蜘蛛日誌
地獄に堕ちて鬼蜘蛛と化した元花魁が綴る地獄日記。閻魔すら怨む鬼蜘蛛に、果たして求めていた救いが訪れるのかと思いながら読んだ。日誌という形式がとても有効だし、装画がとても意味深なお話(ああ、やっぱり、、、という展開があったのは内緒だ)。
読了日:11月28日 著者:斎樹 真琴

恋愛嫌い恋愛嫌い
「恋愛嫌い」というよりも、非恋愛体質な自分を自己弁護しているだけと受け止められなくもない(汗)。でも「キャント・バイ・ミー・ラブ」の翔子ちゃんには共感してしまった。こーいうアイロニーに満ちた作品を書かせると平さん、上手いですねー。
読了日:11月29日 著者:平 安寿子

アイスクリン強しアイスクリン強し
主人公が西洋菓子店店主兼職人だし、どれだけ甘い話かと思いつつ読んだら、、、甘いどころかほろ苦い話ばかりだった。作者独特の人情話ながら、文明開化の陰に隠れた部分も作品に織り込む着眼点がいい。ただ、盛り込んだエピソードのいちいちが中途半端な気がした。続編があるのかな?すっきりさせて欲しい。
読了日:11月30日 著者:畠中 恵


 先週読んだ分、まだ長文な感想をかけていないものがある(汗)。先週読んだ中では、なんといっても町田康宿屋めぐり』が鮮烈。自分に合うのかどうか判らなくて今まで遠巻きにして見ていた町田作品だけど、来年は全著作読破目指してぜひ読んでみたい。椰月美智子の新刊2冊に、『地獄番 鬼蜘蛛日誌』も読めてよかった。