2009年1月5日〜1月11日に読んだ本

2009年1月5日 - 2009年1月11日の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2253ページ

寒椿ゆれる寒椿ゆれる
男前だが女心に疎く堅物の南町奉行所同心玉島千蔭の名推理が冴える連作時代ミステリ。事件の謎解きよりも、やはり心の機微の描き方がいい。義母の懐妊から始まった千蔭の見合い騒動がそう決着するとは。タイトル「寒椿ゆれる」の意味にしみじみ感じ入ってしまった。最後の一文も千蔭らしくていいなあ。おろくさん、素敵です。
読了日:01月05日 著者:近藤史恵

群青 (shogakukan paperbacks)群青 (shogakukan paperbacks)
映画シナリオのノベライズとか。先の展開が丸分りのベタな恋愛話なのに、つい惹き込まれ、投げずに最後まで(涙ぼたぼた流しながら)読んでしまったのは、やっぱり宮木あや子という作家の力なんだろうなあ。
読了日:01月05日 著者:宮木 あや子

駅神 (ハヤカワ文庫 JA ス 2-2) (ハヤカワ文庫JA)駅神 (ハヤカワ文庫 JA ス 2-2) (ハヤカワ文庫JA)
「駅神」て“易”と“駅”をかけてるのか。この作者にしては珍しいユーモア漂うアットホームな雰囲気が心地よい。それにしても易でミステリになっちゃうとは驚きだなあ。
読了日:01月06日 著者:図子 慧

駅神ふたたび駅神ふたたび
『駅神』の続編。単調になりがちな物語に「胡蝶の夢」を挿入し、変化をもたらしているところが好き。卦が擬人化されるなんて!大笑い。章平くんに恋の芽生えの予感?続巻が待ち遠しい〜。
読了日:01月07日 著者:図子 慧

電化製品列伝電化製品列伝
小説・映画・漫画に登場する電化製品に注目し、作品を読み解くユニークな評論集。とにかく目のつけどころがナイス!取り上げられた本を読みたくなるし、こんな風に細部に注目して小説を読みたくなる。小説も評論も長嶋有はいいなあ。
読了日:01月08日 著者:長嶋 有

ピカルディーの三度ピカルディーの三度
表題作はいろいろな意味で衝撃的だった(汗)。ただ「美しい人」にしろ「俗悪なホテル」にしろ、インモラルだけど狂おしいほどに真っ直ぐで一途な愛を描き、心揺らされる。聖と俗、言葉で尽くすしかない切なさ、この世界から拒絶される、頬っぺた叩かれたような衝撃を受ける作品などさまざま。
読了日:01月08日 著者:鹿島田 真希

彼女について彼女について
途中で気付いて、ものすごく脱力した。この物語に救われたり、励まされ共感共鳴する人が確かにいそう。だけど、心に沁みる言葉が多々あったものの残念ながら私には不要な物語だったようだ。カッパくんが可愛い〜欲しい〜。「はつ恋」でお仲間を見かけたような。
読了日:01月09日 著者:よしもと ばなな

たまさか人形堂物語たまさか人形堂物語
たまさか人形堂に修理で持ち込まれる人形から物語が生まれる。登場人物らのテンポよい会話が楽しい、ちょっとした謎解きもある人形をモチーフにした連作集だ。この作者にしたら口当たりがいいものの、そんな軽くて明るい雰囲気から時折ちらつく人間の狂気だの幻想的で耽美な空気、背徳のほの暗さはやはりこの作者ならではのもの。扱う人形も和洋バラエティに富んでいて、蘊蓄すら楽しい。続編もあるのかな?期待したい。
読了日:01月09日 著者:津原 泰水


血染めの部屋―大人のための幻想童話 (ちくま文庫)血染めの部屋―大人のための幻想童話 (ちくま文庫)
最初の「血染めの部屋」から心臓を鷲づかみに。こういう物語が大好きだし、読みたかったのよっ!ぞくぞく興奮した。誰もがよく知る童話が時空を超え女性の視点で語り直され、幻想と耽美、愛と死、セクシャルで官能滴る残酷な毒ある童話へと変貌する。作家が再構築した童話にただただ酔いしれた。
読了日:01月11日 著者:アンジェラ カーター

読書メーター

 先週読んだ本はどれもみなよかったー。念願だった図子慧さんの「駅神」のシリーズ2冊が読めたし、鹿島田さんの積み本が読めて満足。津原さんの新刊に、アンジェラ・カーターもよかった、、、うっとり。このヘンの本が私のストライクなんだなあとしみじみと思った。好き好き〜♪