2009年3月9日 - 2009年3月15日の読書メーター

2009年3月9日 - 2009年3月15日の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1282ページ

■風化する女
収録された2作品とも現在と回想シーンの絡め方がとても自然で滑らかで、昔と今の対比が鮮やかでかつ、ぐいぐい読ませる実力ある作家だと思った。表題作は、孤独であることの寂しさ切実さが伝わってきて痛いようだけど、私の決意に胸が熱くなる。「海行き」も同様な印象の作品で、変わらぬ友情に救われた気分になる。他の作品もぜひ読んでみたい。
読了日:03月09日 著者:木村 紅美
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163258000

■虎と月 (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)
中島敦山月記」の後日談という体裁ながら、「なぜ虎になってしまったのか」考察し読み解く試みがいかにもこの作者らしくて面白く、児童書扱いながら読み応えがあった。あとがきもよかったー。作家となる人は目の付けどころが違うのね(滝汗)。
読了日:03月10日 著者:柳 広司
http://book.akahoshitakuya.com/b/4652086318

■ホエール・トーク
好悪の感情を超えて、物語が持つ圧倒的な力に打ちのめされる。テーマは重くて重すぎるものの、テンポよく軽妙な語り口で語られるスタジャン獲得の行方が気になって、つい引き込まれて一気読み。仲間達を思いやる気持ちにとにかく泣けた。とってもステキでいかした青春小説でオススメ。
読了日:03月11日 著者:クリス クラッチャー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4899980507

■壜の中の手記 (角川文庫)
まさに奇想炸裂!大ボラ話と言ってしまえばそれまでだけど、巧みな語りでどこに運ばれていくのか判らないドキドキ感をどの作品でも味わえる。過剰感がたまらない。好みは「豚の島の女王」「ねじくれた骨」「壜の中の手記」「破滅の種子」など。
読了日:03月13日 著者:ジェラルド カーシュ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4042961010

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
うわ〜ん。p.236の3行目にやられた(笑)。
読了日:03月13日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/b/4488451063

■廃墟の歌声 (晶文社ミステリ)
「そんなバカな!」と思いつつも、ずぶずぶとカーシュの巧みな語り(騙り?)に惹き込まれた。やっぱり「2冊目だな」を感じずにはいられなかったけど、くすくす笑えるカームジンものが収録され読めたのが、目先が変わってよかったー。好みだったのは「一匙の偶然」にカームジンもの、それに「クックー伍長の身の上話」。荒唐無稽ぶりに酔いしれた。
読了日:03月15日 著者:ジェラルド カーシュ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4794927398

 うっかりしてて「先週のまとめ」に間に合わなかったので、手作業で貼りつけております〜(笑)。
 積ン読の中で読みたい気持ちが強かった『壜の中の手記』をようやく読んで大満足。タイトルから想像していた話とぜんぜん違うんだもん。その落差にやられてしまった。好き好き!>カーシュ。昨年末にカームジンもので単行本が出てるので、それもそう遠くないうちに読んじゃいたいす。