村田喜代子『ドンナ・マサヨの悪魔』
- 作者: 村田喜代子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 単行本
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真摯なテーマを抱えた物語なのに、全体がユーモアのオブラートに包まれているところも好印象!私は大好き(胎児と祖母(老いた女)とが、「死に近しい場所にいる」者同士で交感できるという設定が素晴らしい。「なぜ人間の女だけが、生殖機能がなくなった後も長く生きていられるのか」に目うろこ。老いは必ずしも哀しくべきことではないんだと、励まされた気がする。次の世代に繋がること。「人間はずうっと死なないのかもしれん。長い一本の棒みたいにな。そこにあるのはただ世代間の交替だけかもしれん。」にじーん。胸が熱くなった)。