恩田陸『メガロマニア』

 正直、「NHKスペシャル失われた文明」3部作での恩田さんの文章だけで十分満足していたので、あまりこの本を読む意味を感じなかったが、実際に読んでみて考えが変わった。読んでよかった。あちらが表なら、こちらは裏。作家恩田陸の内面に踏み込んでいる欄外の感情が興味深かった。
 遺跡と対面しどう思ったのか何を考えたのか。この旅からどんな物語が生み出されるのか、楽しみに待ちたい(作中、プロローグの断片が散りばめられているのだけど、神隠しにあった少女と空飛ぶ少女の物語の本編がいつか読めるのかしら?)。
 それにしてもメキシコに行きたい!緑の海を実際に見たい!マチュピチュに行きたい!遺跡回りしたい!
 印象に残ったのは「火の鳥」についての考察。さりげなく本のタイトルが出てくるので、読みたい本がまた増えた(笑)。