今日の読み終わり。

赤い竪琴

赤い竪琴

 題名「赤い竪琴」からして何やら不穏で、この作者のことだからホラーか幻想小説に違いないと読み始めたら…耽美の薫りがそこはかとなく漂う正統派の恋愛小説なので驚いちゃった!
 夭折の天才詩人寒川玄児と邦の結ばれることがなかった恋人たち。その孫同士が時を経て、互いに惹かれ合う、、、二人組の恋人同士が重なり合ってみえる、切なくも美しい恋愛小説なのだ。しっとり情緒的でありながら、同時に硬質でもある津原泰水の筆による端正な恋愛小説を、存分に堪能して大満足の私なのだ(*^^*)。ランボーに影響を受けたという寒川玄児の詩は、当然のように津原泰水による創作なんでしょうが、こちらもなかなかに素敵だったりする。細部に至るまで神経が細やかに行き届いてますなあ!!お見事!!