昨日の読み終わり。

そのときは彼によろしく

そのときは彼によろしく

 広げに広げた風呂敷を、きちんと的確に(感動と少しのユーモアも込めて)畳んでいるようすは見事としかいいようがない。登場人物らがみな魅力的であるばかりか、友情、親子の情愛、恋人への愛なども「これでもかッ!」とばかりに盛り込まれていて、その様子はまるで口当たりの良い生クリームでデコレーションされた甘いあま〜いケーキのよう(*^^*)。
 でも…大抵の人間は生クリームがふんだんに使われてるケーキが大好きなんでしょうが、世の中には生クリームが苦手な人間だっているのだよ。まさしく私がそうなんだけど(苦笑)。巧いのは認めるし、読了後に心がぽっと温かくなるのだけど、あまりにもそつがなさすぎて、私にはあんまり…かな。ただでさえ現実味が希薄な物語だっていうのに、唐突にファンタジーな設定を持ち込まれるのも、ちょっと、、、ね(苦笑)。彼女の病気は、本当に登場させる必要があったのかしら。疑問疑問。
 地面にめり込むぐらい落ち込んでいる時に読めば、この上なくハッピーになれるかもしれないけど、“一番大好きな人と結ばれない恋愛小説”である島本理生ナラタージュ』を読み終えた直後に読んだからなおさら、そう感じちゃったのかなー。読むタイミングを間違えたか?>私。