本日の読み終わり

夕子ちゃんの近道

夕子ちゃんの近道

 な〜んか川上弘美『古道具 中野商店』と、父君である長嶋康郎『古道具ニコニコ堂です』を足して2で割って、ゆるゆる&まったり&しんとした切なさ、哀しみを振りかけ、長嶋有風味にしたような感じ。いつまでもこの作品世界に浸っていたいと思わせるような雰囲気は決して悪くないし嫌いじゃないけど、秀逸な既出作品がどうしても頭を過ってしまってのがねえ。ちょいと残念。
白い月黄色い月

白い月黄色い月

 初めて読む石井睦美作品。村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の“世界の終わり”のような不思議で幻想的な世界で、記憶喪失の少年が、自分を取り戻すまでを描いた物語。よく判らなかったんだけど、もしかしてこれって夢オチってこと?作者がこの作品にこめたメッセージはなんとなく感じたものの、ちょっと、ねえ(苦笑)。続編もあるのかしら?そちらに期待。