本日の読み終わり。

主婦と恋愛

主婦と恋愛

 前回のW杯、日韓大会があった6月が物語の舞台で、サッカーの試合を観戦するシーンとかバンバン出てくるので、読書のタイミング的にはどんぴしゃり!にわかサッカーファンと化して、やたら熱くなっていた4年前のことを懐かしく思い返しちゃった。そうそう、日本中を熱狂の渦に巻き込んでましたもんねー。フィクションとはあるけど、現実にどっかで起こっていたとしても…と、思わせてしまうところがあるお話でした。
 譲って貰ったサッカーの試合観戦チケットが取り持った不思議なご縁。ふとしたことから知り合った、ご近所に住む笑顔が印象的なプロカメラマンのサカマキさんに、初対面の印象は最悪。けど、いつしか心惹かれ、心揺らすようになってしまった主婦チエミの内面を、さくっとした感触で、ややコミカルに描いたお話です。W杯という祭りの熱狂が移ったかのように、戸惑いながらもいつしかサカマキさんに心が傾いていくチエミちゃんがすっごく可愛いのよね。まるで「ダンナ=日常 サカマキさん=非日常」みたい。非日常が日常になるか、跳び越える時が来るのか!とドキドキワクワクしながら、その行方を見守っていたんでした。
 最初この本を手にした時「なぜこの装幀?」不思議に思ったんですが、読み終えた後にじーーーーっと眺めると「なるほどね」と腑に落ちること、間違いなし!妻の傾いちゃった心を、こっそり軌道修正しようとするチエミのダンナさまが、微笑ましいんですよね。そのやり方が(笑)。