本日の読み終わり 小川洋子『おとぎ話の忘れ物』

おとぎ話の忘れ物

おとぎ話の忘れ物

 世界各地から集められた“忘れ物のおとぎ話”を本にして、本棚に並べている「忘れ物図書室」。その「忘れ物図書室」に所蔵されている本の中から紹介された4編の物語。原型をほのかに残しながら、変容させられた美しくも残酷な物語を読む愉しみと、“忘れ物のおとぎ話”に寄せられた樋上公実子さんによる硬質で官能的な少女の絵を見る愉しみの、2つともを味わえる贅沢な1冊でした。文章と絵とが濃厚に絡み合っていて絶妙なんですよね。官能と毒とを含んだ樋上さんの絵に、魅せられちゃった私です。4編だけなんて勿体ない。ぜひ次なる作品集も!