本日の読み終わり 小手鞠るい『愛を海に還して』

愛を海に還して

　とても素敵な恋愛小説そうで冒頭からとても思わせぶりだったのに、予感だけで終わってしまった私にとって残念な作品でした。
　失われた半身のような別ち難いパートナーワタルとの愛情と、突然恋に落ちた編集者早瀬との行きずりの愛と、2つの愛の狭間で揺れ動く主人公なずなの胸のうちが繊細に描かれているのだけど、主人公に共感する部分がないとは言わないが、でも自分の欲望に忠実なだけの単なる自分勝手な女のようにしか思えません。
　それにこの小説の幕切れもなんだかなあ。え？え？え？何これ？いかにも取ってつけたみたい。こんなのあり？作者に置いてきぼりくらったようで呆然としちゃいました。作者は一体何が描きたかったのかしら（いろいろあったけど結局私は、真っ直ぐ前だけを見つめて生きて行くの〜。過去の恋愛のあれこれは今ではときどき胸が痛むけど、みーんな素敵な思い出なのよ〜ってところでしょうか。なんだかなあ／汗。）他の小手鞠るい作品で、リベンジしようっと。