MSN 芥川・直木賞:受賞の3氏、喜び語る−−贈呈式開催

 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20060829dde014040023000c.html

 第135回芥川・直木賞日本文学振興会主催)の贈呈式が22日、東京・丸の内の東京会館であった。芥川賞伊藤たかみさん「八月の路上に捨てる」(『文学界』6月号、単行本は文芸春秋)に、直木賞三浦しをんさん『まほろ駅前多田便利軒』(文芸春秋)、森絵都さん『風に舞いあがるビニールシート』(同)に贈られた。いずれも現代を映し出す巧みさが評価された。

 まず、芥川賞選考委員の高樹のぶ子さんが「昨今の若い人の感覚を見事に表現した小説。ある種の新しいプロレタリア文学を感じさせる。一生懸命に生きるけなげな主人公がいい」と称賛した。

 直木賞選考委員の宮城谷昌光さんは「三浦さんの受賞作は現実のリアリティーと物語性のリアリティーを両方踏まえていて、うまい。相当な書き手です。森さんの受賞作は精神性が出ている作品。取材の仕方と小説構築の過程が真摯(しんし)で、読者を励ます力がある」と評した。

 直木賞作家の妻角田光代さんとの史上初の芥川・直木賞ペア受賞を決めた伊藤さんは「シンプルに書くには作品に骨が必要だが、今回の小説で骨が焼き上がったと感じる」とあいさつ。直木賞では4人目の20代受賞者となった三浦さんは「支えてくれた編集者はみんな熱心で誠実な人ばかり。非常に感謝しています」、森さんは「一作一作、初めての道を走る気持ちで創作に取り組みたい」と喜びを語り、拍手を浴びていた。【米本浩二

毎日新聞 2006年8月29日 東京夕刊

 贈呈式があったんですね。おめでとうございました!好評発売中の「文藝春秋」で、受賞を逃した作品の選評を読んでこなくちゃだわ。