本日の読書 東雅夫編『猫路地』

猫路地

猫路地

 猫好きな人に、ぜひともおススメしたい1冊ですね。猫好き作家20人による、猫ファンタジー競作集。それだけでも嬉しいのに、全編、この作品集でしか読めない書き下ろしの作品ばかり!!タイトルが必ず「猫」の文字が入る猫熟語だったりするのも、たまりません!!
 猫に誘われて、異界に遊ぶ不思議体験する作品や、コミカルなもの、切ない話、鼻の奥がツーンとする話、ぞっとする話など、テイストもさまざま。ぜひ読み終えた方にどの作品が好みだったのか、お聞きしてみたい。
 私が印象深かった作品は、加門七海「猫花火」(猫の鳴き声にノックアウト。ウNr.んNGiぎYAaアおぅuuuッ,fu!)、谷山浩子「猫眼鏡」(心身みっしりと充実させたい!こんな不思議な体験を味わってみたい)、秋里光彦「猫書店」(あの有名な作品の楽屋落ちですか!こんな素敵な書店なら、お願いしても常連になりたいもんだ)、寮美千子「花喰い猫」(幻想譚。黒猫には真紅の薔薇がよく似合う!?うっとり)、佐藤弓生「猫寺物語」(澁澤龍彦の13回忌の法要での不思議な体験。ヒコって!いかにもありえそう。)、井辻朱美「魔女猫」(魔女に黒猫はつきもの。そんな黒猫がしたいたずらとは。語り口がユーモラスで絵が浮んじゃう、可愛いお話)、片岡まみこ「失猫症候群」(ペットロスってこんな風なのかなと思いつつ読書。エッセイ風なので、つい勘ぐっちゃいます。版画で描かれる猫のしぐさがすんごく可愛いの!)、霜島ケイ「猫波」(するっと日常のすきまの時間に入り込んで、「猫波の島」を訪れる物語。こんなひと時が持てたら!心が奥底からじんわり温かくなる1篇)、梶尾真治「猫視」(猫は、人間の目に見えないものまで見てしまうというけど。家族一致団結して悪霊退散した、その顛末。笑った笑った!で、悪びれないのよね!/笑。実話かな)って、ほとんど全部、ですな。