本日の読書 高殿円『カーリー 〜二十一発の祝砲とプリンセスの休日〜』
カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~ (ファミ通文庫)
- 作者: 高殿円,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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あああああ!面白かったあああああ!結局はこの物語、「小公女」で代表される少女小説へのオマージュなんですよね。かつて夢中になって少女小説を読んだ人には、たまらなく魅力的な1冊になるでしょう。
シャーロットが学ぶオルガ学院に転校生がやってきた。その転校生は実は本物のプリンセスだったから、さあ大変!!
2巻目は、プリンセスが学院で引き起す騒動と恋の行方がメイン。「「ローマの休日」で最後まで突っ走ってしまうのかどうか!」の興味から、ラノベにしてはブ厚い本なのに、気持ち的には一気読み。
突如乱入してきたプリンセスパティのおかげで、シャーロットとカーリーのむふふの絡みがかな〜り少なくて残念!と思っていたら、そうくるかっ!おったまげ。
不意打ち食らわされて驚きつつも、「寄宿舎もの」で甘酸っぱくてほんわかした少女小説の部分と、第2次世界大戦前夜という物語の背景、主人公らに陰を落とす近代史の政治的な部分が、実にバランスよく書き込まれた巻だったと、感心したんでした。
これにてシャーロットの幼年期時代編は完結。
まんまヴィクトリア調の少女小説(寄宿舎よ寄宿舎!)の世界がもう味わえないのかと思うと、すんごくお名残惜しいんだけど、全てを知ってしまったシャーロットがどんな人生を選んだのか。3巻が楽しみ!完結するまで、目が離せませーん!