本日の読書 リリー・フランキー『東京タワー』

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

 マイミクさんにお借りして、ようやく『東京タワー』を読み終わり。これを読む人は、リリーさんに感情移入するのかしら?それともそれとも母親に?私は二男の母親で娘でもあるので、双方の立場に身つまされながら読みました。
 娘として読めば、至極真っ当に「孝行したい時に親はなし。今のうちに親を大事にせねば!」そう思うよね、っていうか、「親孝行推奨本」で最強の「他人の振り見て我が身を直せ本」にしか読めません。で、親として読んだ場合は「男の子なんかの親になるんじゃなかった。orz」つくづくそう思いましたね。親に迷惑かけて当然とだけは、くれぐれも思わないように。他所さまはよくても私はぜーったいにヤだ。こんなにベタベタに甘やかさないから、覚悟しておくように。オカンみたいにはなれないから、我が息子たちはぜーったいに期待だけはしないように。
 最初のうちは私小説(?)ぽく、昭和の田舎町に住む少年の姿を描いた少年小説として面白いなと思いつつ読んでいたんですが、オカンが東京に出てきてからは、小説じゃないんですね。モロに手記なんですもん。そりゃ30ウン年間、ずっと傍にいてくれた大切な人ですもん。そんな人を亡くすのは、身を切られるように辛くて悲しい。喪失感には何年経っても慣れない。そんなのは当たり前のこと。オカンの死を書く事によって、自分なりのケジメをつけるつもりだったんでしょうが、も少し時間を置いてからでも良かったんではないかと思いました(いい意味でも悪い意味でも「昭和の母」だよね、オカンて。そういう生き方がいいとも悪いとも私からは言えないが、もちっと労わってやれよ!と、何度突っ込みを入れたことか)
 それにしても、「五月に語った人」って誰だったのか?
 でもね、評判だけはいろいろと聞いていたので、もっともっと酷い目にオカンが遭ってるんじゃないかと内心心配していたんですが、思っていたよりは楽しい東京暮らしをしていたようで、それだけはちょこっと安心しました(ま、事実かどうかは判らないけど/汗)。TVドラマが放映されたら、しっかと見ちゃいそう(汗)。
 それにしても、この作品が第3回本屋大賞の大賞受賞作なんですか?「もっともっとたくさんの人に読んでもらいたい!」全国の書店員みんながみんな「売りたい!」と願った本なんですか?なんだかなあ。書店員に対する不信感で胸がいっぱいになりそうだ。ま、最初から信頼しちゃいませんけどさ。