本日の読書 坂木司『シンデレラ・ティース』

シンデレラ・ティース

シンデレラ・ティース

 クリーニング屋の次は、デンタルクリニックが舞台の日常の謎系のミステリ(歯科技工士が探偵役)。それに夏休み限定で受付のバイトを始めた歯医者嫌いの主人公(若い女の子だ!)のひと夏の恋と成長の物語が絡んできます。読了感、とても爽やか。
 こう描かれると、改めて歯医者ってのは日常の謎系のミステリのネタには事欠かない場所なんだなって痛感しますね。着眼点がとってもナイス!(他にどんな作品があるのかしら?)
 予定調和すぎる主人公のひと夏の物語はまあ脇に置いといて、この作品って『Sweet Blue Age』に収録された短編の東京に残った片割れの女の子の話ですよね?A面、B面ということで、ぜひもう一回、読み返してみたいなあ。あとがきによると「沖縄でバイト」の女の子の物語も、待っていれば単行本で読めるのだとか。今からとても楽しみだ♪しっかし、沖縄でバイト中の女の子から見た彼女のイメージと、『シンデレラ・ティース』での彼女とがあまりにもかけ離れているのに、驚いてます。そのギャップがまた、面白いんだけど(笑)。
 読み終えた途端に、歯医者に予約入れたくなる作品ですね。あーんど、今までの遭遇した最悪の歯医者体験について、誰かに熱っぽく語りたくなるかも(笑)。