本日の読書大島真寿美『青いリボン』

青いリボン

青いリボン

 想定読者は思春期の少女(少年)なのかしら。もちっと突っ込んで書き込んで欲しかったところがなかったとは言わないが、いつもの大島ワールドは健在。依子と梢の友情物語というよりも、「家族の絆」がテーマだったように思う。崩壊しかかってる依子の家と、居候なんて気にしない大らかな大家族の梢の家と正反対の家族を描いて、「家族とは?」、「家族の絆とは?」を静かに訴えかけてくる。
 いろんな家族があって、その家族なりの絆の形がある。依子は将来、どんな家庭を築くのかなとちらり思ったりして。 
 切実で重たいテーマを描きながらも、みずみずしくも、どこかぼんやりしてぬくくて心地良い。それにしても装画、装幀がめっちゃ素敵ですね、この本(*^^*)。