本日のお届きもの
先日、『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』を図書館で借りて読んだんだけど、どうしても手元に欲しくなってしまって、みすず書房から復刊された新装版をヤフオクで落札しちゃった。こちらの本の活字のが、読みやすいですね。
同郷の後輩作家になる佐藤正午による解説が巻末にあって、読んでいるうちに、彼の作家への哀惜の念、無念さに胸打たれて、切なくて切なくてたまらなくなってくる。この作品は、“詩情の作家”の変化の転機となった作品なのだとか。なのに、変化したその先の作家の姿が、急逝によって永遠に見届けられなくなった悔しさ。「作家の不在」が、こちらの胸まで重くのしかかってくる。1作品読んだぐらいで…と云われそうだけど、本当に残念で残念でたまらない。初期作品から順を追って、作家の作品を読んでみたいと切実に思う。
ちなみに作者の野呂邦暢は、昭和49年「草のつるぎ」にて第70回芥川賞を受賞しています。…この作品を知るまで、その事実すら知らなかったんですよ、私(汗)。ダメダメですよね(汗)。
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