本日の読書 嶽本野ばら『変身』

変身

変身

 カフカ『変身』のパロディ?整形外科医からも匙を投げられるほどのブサイクな漫画家志望の青年が、ある日目覚めたら、とんでもない美形に「変身」していたから、さあ大変!顔が変わっただけなのに、それまでのモテない売れない生活が180度変化し、あれよあれよの間にわが世の春を満喫することになるのだけど…という、ドタバタラブコメディ。
 イケメンにはなったものの、内面までは変わっていないから、それゆえに巻き起こる悲喜劇の数々。主人公に投げかけられる言葉&エピソードの数々が、なんというか…非常に自虐的だ。確信犯的に書いているんでしょうが(汗)。これ、面白がって読んじゃっていいのかな?ま、実際、とてもテンポ良く物語が進むので、面白がって読んじゃったけど(笑)。
 カフカ『変身』はあんな風にして終わったけど、こちらの作品はどう終わらせるのかと、ハラハラしながら(でも、半ば面白がって/笑)読んでいたら!なるほど!そう終わらせるとは!広げた風呂敷を上手に畳んで、なかなか小気味良いラストでした。お見事! 
 読み終わって、大昔に行ったきりのとしまえんの「カルーセルエルドラド」を懐かしく思い出した。乗りに行きたいなー。