本日の読書 上遠野浩平『酸素は鏡に映らない』
- 作者: 上遠野浩平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/30
- メディア: 単行本
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運命の糸に導かれて、各々の人生が交錯する。謎解きの要素もちゃんと用意されてはいるものの、謎よりも世界観がものすごく魅力的だ。視聴率がイマイチ伸びず、打ち切りになったゆえに伝説になった「無限戦士ゼロサンダー」の使い方も絶妙だし、
君もまた毒なのだ――それを理解したとき、君も世界の支配者となる。p.206
というメッセージも心に残る。
でも…これ、子ども向けというよりも、上遠野浩平作品をちゃんと読みこんでる読者を嬉しがらせるお話でしょ。不誠実な読者なので、読んでる最中はそうと気づかず、読了してからそうと知ったけど、この作品で上遠野浩平を知った読者には、なにがなんだか判らなかったと思う。「判る人はより楽しめるけど、判らない人はそこそこしか楽しめない」作品ってどうなんでしょうかねえ?
いつかリンクする世界に出会って、「ああ、そうだったんだあ!」作品世界がぱっと広がる。この作品で初めて上遠野浩平作品と出会った読者に、そんな嬉しい邂逅がありますように。って、私は積んでる上遠野浩平作品を早く読まねば(滝汗)。まだまだまだまだ続き、広がっていきそうですねえ!!!
ミステリーランドでも、やっぱり上遠野浩平は上遠野浩平だった。好き嫌いがはっきり分かれそうだけど、私は好きだ。