本日の読書 真保裕一『最愛』

最愛

最愛

 「カレーだからカレー味でしょ」と思って食べたカレーがプリン味だったみたいなヘンな感じ。
 初っ端のつかみも絶妙だし、二転三転しつつ真相に迫っていく中盤の展開なんかも、作者の力量を感じさせて巧いのだが…ゴメン。私は好きじゃない、この話。私にとっては『最愛』じゃなくて『最悪』だった(滝汗)。
 登場人物らがヘンな風にステレオタイプで、人物造形に深みがないのもどうかと思うし(割り振られた役割を渋々演じてるみたいだ)、『最愛』というタイトルの意味にも唖然(苦笑)。「正義!正義!」って登場人物みな口にするけど、私の目にはどれも自己満足の自分勝手。ヘンに歪んだ正義感に見えた。トホホ。
 構成の巧さは認めるけど、なんか策に溺れて失敗しちゃったみたいな気がする>『最愛』。真保作品、私には合わんのかも(汗)。