本日の読書 三浦しをん『きみはポラリス』
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
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シチュエーションの違いはあるものの、どの作品の主人公も20〜30歳と、さほどバリエーションがないのが物足りないというかなんというか。そういう物語を求められてないからでしょうが、ねちょねちょねばつくような××も、そういえばなかったな。ただ、はっとするような文章の冴えと内面の描写の巧みさに、引き込まれるかのように読んでしまった。
印象に残ったのは、「永遠に完成しない二通の手紙」「永遠につづく手紙の最初の一文」の報われることも告白することも決してない切ない片思いと、「ペーパークラフト」のざらざらする奇妙な三角関係、春太の一人称で綴られる「春太の毎日」。ここだけおひさまの匂いがするかのようで思わずほっこり、だけどおしまいで鼻の奥がツーーンとしてきちゃって困った。無垢な想いが愛しいですねえ。その他、「裏切らないこと」にちらり登場するだけなのに、強烈だった前園さん夫婦も。
いくつかの作品を、他の媒体で読んでいたから、まっさらの状態で読めなかったのは残念。だけど、どの短篇もしみじみと良かった。さらなる活躍に期待!(どなたか「永遠に完成しない二通の手紙」「永遠につづく手紙の最初の一文」を漫画化してくれないものか。ぜひ読んでみたい!)