本日の読書 鈴木光司ほか『午前零時』

 
 鈴木光司坂東眞砂子朱川湊人恩田陸貫井徳郎高野和明岩井志麻子近藤史恵馳星周、朝暮三文、桜庭一樹仁木英之石田衣良ら13人の作家による「午前零時」をテーマにした競作集。
 「午前零時」からの連想で、ホラー風味の作品が多かったかな。ホラーでは、女として朽ちていこうとする焦燥感を巧みに織り込んだ坂東作品が良かった。ラストが、少なくとも2通りの受け止め方ができる鈴木作品も。
 その他、「午前零時をそう解釈するか!」の新鮮な驚きがあった近藤作品、寓話めいた不思議な雰囲気がたまらない桜庭作品も印象に残った。 
 恩田陸「卒業」は、ちょっと前に刊行された短編集『朝日のようにさわやかに』に収録されていて、そちらで読んでいたので、ちょっとちょっとちょっと…でした(汗)。状況が全く見えない中で少女たちの身に起こる惨劇は、強烈だけど。この作品も、話膨らませて、長編化すればいいのにー。